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はたらくことの意味は、だいたいドラッカーが教えてくれた。

働くことの意味、人生の意味を喪失した私が、ドラッカーと出会い意味を取り戻していくまでの、10年とちょっとの人生記録。

何のために働くのか、それが分からなくなった日のこと。

回顧録 -サラリーマン時代篇-

 「鬱病ですね…。中程度です」
目の前にいる医者は、たしかそう言ったと思う。

その頃の記憶はあまり残っていない。はっきりした日付も定かではない。たしか2004年~05年の寒い時期だったはずなので、およそ12年前の事だったと思う。

 

 

入社4年目のサラリーマンだった。学生時代のアルバイトで、人を笑顔にする喜びを知った。そこまで4年間、がむしゃらに働いていた。自分で言うのも難だが、成績も業績評価も良い方だった。

転機は、名古屋への転勤だった。

正直、驚いた。あまりにも低い支店のモチベーション。中途半端な仕事ぶり。言われたことすら出来ていなくても、それが当たり前という雰囲気。腐っていると思った。

「この人たちは、何のために生きているんだろう?」

人を喜ばせることも、自らを成長させることも、何かを目指すこともなく、生きるためだけに会社にぶら下がっている様に見えた。

 

 

当時の上司に、そのまま聞いてみた。
「何のために働いているんですか?」

答えは、こうだった。
「お前、俺のことをバカにしてるのか?」
ものすごい剣幕で怒られたのを覚えている。

いま思えば、これを聞いた頃には、すでに心が闇に包まれ始めていたのだと思う。聞いたらこうなる事くらい、正常な判断能力を持っていれば分かることだ。しかし、その時はどうしても聞かずにはいられなかった。

それからしばらく経って、頭の中のぐるぐるが止まらなくなった。
「自分は何のために生きるのか?」
「何のために働くのか?」
この答えを探すことが、すべてにおける最優先となった。


仕事が手につかなくなり、
人生から楽しみや喜びが喪失し、
人と話すことも面倒だった。
生き続けることすら苦痛になった。

 

 

専門家ではないので、鬱病の正確な定義は知らない。
しかし、私の経験から言うならば、こういう状態だ。

「人生から、すべての意味が喪失する病」

心の風邪なんて軽いもんじゃない。
そのネーミングをした人は、鬱病のことを何も知らないとしか思えない。
私は結果としてこの闇の無限ループから抜け出せたけど、
一生抜けられない人もいるのではないかと思う。

「病み」とは「闇」なのである。
この世界の無意味さに気付いてしまうことは、
一種の絶望にほかならない。

 

 

マグロは泳ぐことをやめた瞬間に、
呼吸ができなくなって死んでしまうと言う。
人間もまさに同じで、
働くことをやめたら死んでしまう存在だ。

「もっとも残酷な刑罰は、徹底的に無益で無意味な労働をさせることだ」
と、ある作家は書いたという。

しかし、この世界は諸行無常であるがゆえに、
働いた結果生まれたものは、すべて消えていく。
これが現実だ。

生きるために社会に参画するが、
社会そのものに何か意味が存在する訳ではない。

われわれ人間が生きるための活動自体が、
まさに拷問のように思えた。

働かなければ生きていけないが、
働くことそのものに意味はない。

これが私の直面した世界だった。

 

 

あとあと知ったことだが、
「人は何のために生き、何のために働くのか?」
は、古くから宗教家や哲学者が追い続けた究極のテーマだった。

その答えは人の数だけ無数にある。
しかし、逆にひとつしか無いとも言える。

「人生とは、無限そのものへと近づいていく旅路」
これが私のいま得ている答えだ。
いま時点の答えであると共に、おそらく一生変わらない。

無限を表現する方法は、この世界には存在しない。
だからこそ、さまざまな人が、さまざまな言葉で
表現するということを続けてきたのだろう。

私も、それにならってみようと思う。
私ひとりでは心もとないので、ドラッカーの言葉を借りながら。

 

 

【今日のドラッカーの言葉】
人にとって、働くことは重荷であるとともに本性である。呪いであるとともに祝福である。それは人格の延長である。自己実現である。自らを定義し、自らの価値を測り、自らの人間性を知るための手段である。

<P.F.ドラッカー マネジメント【エッセンシャル版】> 

 
<コメント>
生きることと働くことは、少なくとも現代社会では切り離すことが難しい存在です。私がかつて感じたように、人生では時に仕事そのものが無意味と感じられる事すら存在し、それでも決して逃げることの出来ない存在であるがゆえに、一種の「呪い」と呼べるのかもしれません。

しかし、働くことの奥には「無限」へとつながる扉があります。かつての日本人はすべての仕事に「道」を見出しました。武道、茶道をはじめ、すべての仕事は究めればその奥に宇宙へとつながる世界があるのです。深遠な叡知につながることは人生最上の喜びであり、それは「祝福」でもあります。

生きること、働くことを自らにとっての機会とし、本質を磨くことこそが、真の自己実現と呼べるのです。

 

 

 

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