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はたらくことの意味は、だいたいドラッカーが教えてくれた。

働くことの意味、人生の意味を喪失した私が、ドラッカーと出会い意味を取り戻していくまでの、10年とちょっとの人生記録。

組織をひとつにするための会議

 (↓↓↓小さな会社での奮闘記篇 はじめから読む方はコチラ↓↓↓)

drucker-teachings.hatenablog.jp

 

新しい会社に入って5か月。2007年4月から、私はインターネット事業を統括する立場に就いていた。

入社してからの5か月間で、当面の進むべき方向性・戦略は見えていたが、まだ大きな課題が残っていた。方針や戦略ではなく、社長の顔を見て動く古株の重鎮社員たちの存在、つまり人にまつわる問題だった。

若手の社員たちは、方針や戦略を中心とした新しい仕事のやり方に順応しはじめていた。しかし、古株で重要なポジションにいる社員ほど、旧来の個人経営企業のスタイルから離れることができないままだった。事あるごとに社長に直訴し、小さな抵抗を繰り返していた。

正直なところ、いきなり外から来た人間に仕組みを変えられる側の立場になれば、無理もないことだった。私自身、そこは割り切っている部分もあって、ゆっくり時間をかけて解決すればいいくらいに思っていた。

しかし、同時期に新たな社員の採用活動も行うことになり、そうも言ってられない状況になった。新入社員(と言っても中途採用だが)が入るにあたり、バラバラな方向を向いている社員をひとつにまとめ、方針と戦略で全員が「考えて動く」チームへの移行を急がなければならなくなった。

 

 

私には経験も知識もなかった。当然、周りに教えてくれる先輩社員もいない。そもそも教えてくれる人が社内にいるなら、いまの現状にはなっていないのである。期待のしようもない。

自分で考えるしかなかった。これまでの経験を総動員して、何ができるかを必死に考えた。そうすると、これまでの経験の中に、いくつか使えそうなパーツが見つかった。

1.若輩営業として先輩技術者を動かしてきた経験
2.プロジェクト会議での経験
3.研修で習った、いくつかの分析手法(使ったことはない)
4.さまざまな上司と接してきた経験
  (ついて行きたくなる上司と、一緒に働きたくない上司)
5.営業として培った「話を引き出す技術」

立場だけは事業トップに就いたものの、年齢的には下から数えてトップ3圏内。そんな私が古株社員を巻き込むために考えた作戦は、これだった。

「会社の未来のビジョンをみんなで創る会議」

追い込まれて出した窮余の策だった。未来ビジョンを創るという名目で、会社の強みや弱み、機会などを全員で分析していくことで、説得ではなく納得を得ようと思った。

はじめから方針・戦略ありきではなく、未来ビジョンを創る過程で深く話す。結果として、立てた方針と戦略は間違ってなさそうだね~という話に落ち着けば、それでよかった。

みんなで会議で創り上げた感を醸成することで、それぞれ「自分の意見が会社のビジョンに反映されている」と感じてくれれば、きっと何かが変わるだろうと思った。結果はどうなるか分からなかったが、この可能性に賭けてみることにした。

 

新入社員が入社した5月のGW明けから会議はスタートした。毎週1回、半日だけ全社員の時間をもらって全3回。

「未来ビジョン」という言葉の魔力は予想以上で、みんな「業務で忙しいのに…」とかなんとか言いながらも、まんざらでもない様子で会議に参加してくれた。

この会議では、基本的に私は意見を一切せず、ひたすらファシリテーションに徹することにした。あくまで聞く側として場の運営だけを行い、古株から新人まで全員が意見を出せるようにした。

その代わり、会議をふまえた計画案の作成は、私にすべて任せてもらうことにした。みなさんの意見をベースに、私の意見も載せた案を、あらためて全員で話し合うことで、全体の総意とする事とした。


(次回へつづく)

  

【今日のドラッカーの言葉】
計画を実行すべき人たちが計画を理解し自らのものとするには、彼ら自身がアクション・プランの策定に参画している必要がある。
あまりに手間がかかると思われるかもしれない。しかし、アクション・プランは、それが策定された暁には、全員に理解されることが不可欠である。組織の全員が、新しいものを欲し、コミットし、行動の用意ができていなければならない。

<P.F.ドラッカー 経営者に贈る5つの質問> 

 
<コメント>
知識労働者を指示・命令によって動かすことは出来ないとドラッカー教授は言います。現代の組織は、働く人ひとりひとりの脳の中に格納された資源、つまり知識や経験を、組織の成果のために提供してもらってはじめて、成果をあげることができます。

組織に属する一人ひとりの社員・スタッフが、自ら進んで知識や経験を提供したいと思える環境をつくるのは、マネジメントの仕事です。組織が社会に貢献しているという意識が共有され、仕事そのものに意義を感じられる状態があるとき、そこで働く人は進んで自らの持つ資源を提供するようになります。

組織が一丸となってミッションや目標を実行するための鍵は「参画」にあります。自らが策定に参画した目標に対しては、一人ひとりが実現の意欲を持ち、実現への責任を自覚するのです。

目標は実行に移されてはじめて成果へとつながります。参画による目標の設定は、現場で計画を実現するための鍵でもあるのです。

 

  

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